易学大講座・第五巻の、
── 遯卦の占考(p.173)に、
見栄や外聞を気にして居る時ではなく、夜逃げをしてでも、茲は身を退いた方がよい。それが出来ずに居ると、夜逃げどころか首でも吊らねばならないことにもなります。
とあります。
易書を読むということは、
こういう文章を分解して、
その根拠を自分で考えてみる
ということです。
それが易の勉強だからです。
そのためのテキストとしては、
易学大講座が当代随一であり、
大岳氏の辿った占考過程は、
必ず推理してみる必要が
ありましょう。
とりわけ、
三変筮の可否占をするためには、
大講座は必読の書です。
さらに、
易学大講座の読者であれば、
「新釈漢文大系 易経」なども、
当然有用な書物となりえましょう。
× × × ×
蛇足ながら、
引用文を分解してみますと・・
「見栄や外聞・・」は、
この卦は表向きは
外卦の乾だからです。
☰
☶
「夜逃げをして・・身を退く」は、
邪陰がようやく浸長して来て、
正義の通用しないご時世だから、
とにかく逃げよ、争わないで逃げよ、
逃げて亨るという時だから・・
とそういう卦義だからです。
*「夜逃げ」は不明ですが、
逃げるという卦であり、
夜陰が長ずるからか。
「首でも吊らねば」は、
遯は消息卦ですから、
先に剥を見ての取象です。
☶
☷
これは
首吊りの画象です。
上九で首を固定して、あとは
首から下がだらりとしています。
以上。