易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

易経的な読み

胎児の
男女の別を乞われた呑象翁は、
天山遯の五爻を得、
次のように断じました。

  • 九五は陽爻を以て陽の定位に居るので、産児は男児である。
  • 外卦の乾を父とし、内卦の艮を小男とする。すなわち、小男が父の後を継いで、老父は家督を譲って隠居するのであり、爻辞に「嘉遯貞吉」とある所以である。

その後果して、
占断の通りであったと。

出典:易学病占

× × × × 

小生がこの占に惹かれたのは、
大岳氏による頭注の内容に
興味をもったからでした。

高島易に就ては既に幾度か註を加へたが、此の例に於ても、遯の卦を同じ男の胎児と断ずるにして、包卦、卦象よりも、爻の位と爻の辞に重きを置いて居ることは、高島易の本領を発揮せる一例として特に茲(ここ)に掲げた。
(易学病占)

遯の五爻は、
陽剛中正にして尊位にあり、
正しい家長の象ということで、
男児と判断しています。

そして、
乾を父、艮を小男として、
序列・跡継ぎという観点から、
卦を見ているところも、
易経的であると思います。

「嘉遯貞吉」は、
家の宜しきを保って隠居するのは、
正しいことであり吉ですよと。

この占は、
ふつうの人ならば、
大艮を以て乾を包む象から、
男児を孕んでいる」などと
占うのではないでしょうか。

それに対して、
高島呑象氏の占考方法は、
まるで易経の註釈文を
読んでいるかのよう。

高島易にあっても、
ただおみくじ的に爻辞を占に
当て嵌めているのでは
ないのです。