爻辞占は、
単純に「おみくじ易」をすると、
判断を誤ることがあります。
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艮其趾。无咎。
利永貞。── 艮為山、初六
その趾(あし)に艮まる。咎なし。
永貞に利し。
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この卦は艮為山ですから、
今は止まるべき「時」です。
そして、この爻は、
止まって動かなければ、
咎はないのです。
しかし、
こういう爻辞にかぎって、
含意として「動きたい」という気分が、
潜んでいるのです。
それゆえ、ここには、
「永貞に利し」などと、
戒めの辞がついているのです。
このような爻辞の場合には、
「咎がありますよ」
と辞を読んで占考した方が、
実情に合った占が出来るのです。
単純に字ヅラを読んで、
「止まるから大丈夫」とすると、
判断を誤ってしまいますから、
ご用心。
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初めのうちは、
わかりにくいかもしれません。
しかし、
『易学大講座』や易経を読んでいるうちに、
爻辞の掛けられ方のパターンが
見えてくるはずです。
そうなると、
『易学大講座』の「真の凄さ」が
ようやくわかり始めるのです。