易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

盗難占

中村文聰氏の占です。

× × × × 

ある晩盗難があった。

その家の娘さんは、
盗品の出るか出ないかを
易占家に問うた。

文聰氏は布算し、
天山遯の三爻を得た。

氏は卦を読んで曰く。

  • 内卦艮を蔵とし、その主爻の九三が動いているところから、 蔵を破られたのだろう。
  • 大巽の象より、盗られたものは女物の着物である。

こう云うと、
娘はそうだとうなずく。

  • 艮下乾上は遠くに持ち去られた形なので、近くを手配してもだめ。出ることはないだろう。

それ以後、
手掛かりを得ることもなく、
盗まれた着物は勿論、
犯人の捕まることは
なかったとのことです。

× × × × 

我々の注意すべきは、

  • 蔵を破られた。
  • 女物の着物。

は卦から読み取るのではなく、
筮前の審事として、
娘さんから聞いておくべき話、
ということです。

お間違えなきよう。

× × × × 

(補註)
「艮下乾上は遠くに持ち去られた形」

  
  

艮の門外に陽の逃れてゆく象。
乾は「遠く」です。

失せ物占、家出人占における、
基本的な見方です(「易入門」参照)。