蹇は難なり。
足進む能わず、行くことの難きなり。
× × × ×
蹇の時は、
進めない、進んではいけない時です。
難卦といわれますので、
運勢占などで得られると、
戦々兢々、恐れおののくものです。
彖伝にはこうあります。
見険而能止、知矣哉。
険を見てよく止まる、知なるかな。
卦徳をもって、
卦の意義を説いています。
前方には険しさ・困難がある。
(そういう時、運勢である)
それを察して今は艮止すべしと。
すなわち、
時に従って、
止まるべきであると。
そして、
そういう振る舞いを、
「知なるかな」
と賛嘆しています。
蹇の時には、
泣いたり喚いたりしないで、
知的であらねばならない。
どっしり、
身を落ち着けて、
冷静沈着に蹇という「時」に、
対処せねばならない。
それは卦辞にいう、
「貞吉」ということでもある。
もっと平たく云いますと・・
「進めない時は進まないのがよい」
「ランクを落とすのがよい」*1
*1:卦辞曰、利西南。不利東北。