法律家は、
己の貧弱な理論構成をもって断を下すより、
根拠条文だとか判例を示した方が、
断もバシッと決まりますね。
易占家もそれに倣って、
易経の辞によりて可否成否を断ずれば、
それが一番合理的でありましょう。
そのようなことを、
山沢損、風雷益を見ていて思いました。
例えば・・
損先難而後易(繋辞伝)
損は先には難(カタ)くして後に易(ヤス)し。
益以興利(繋辞伝)
益は以て利を興(オコ)す。
損は初め悪く後によろしい卦ですし、
益は増すで利益のあがる卦です。
こうした運勢であることの、
根拠条文としてこれらを用いれば、
占が引き締まることでしょう。
風雷益の結婚占に、
良縁とします。
(柳下「易入門」)
とあります。
これは、
卦名より転じて「豊かに増す」ゆえに、
財産が増える、家族が増す・・
とするからでしょうし、
また、風雷相助け合って増す象、
を見てもよいですね。
(巽震&増す、ということで、
草木が繁茂する象だとか、
交易生卦であることからも、
良縁とされるのでしょう)
しかし、
中正有慶(彖伝)
中正にして慶びあり。
この文句を用いれば、
易占家がごちゃごちゃ語らずとも、
何か慶福のありそうな結婚なのだな、
ということが一目でわかってしまいます。
こうした占を、
是非ともしたいものです。