易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

ある可否占

ある人から、本の執筆を
手伝ってほしいと云われた大岳氏、
引き受けることの可否を筮して、
无妄二爻を得ました。

爻辞に曰く、
不耕穫。不菑畬。則利有攸往。

先生は、
報酬を期待すれば当てが外れるが、
期待や欲望をもたずに行うなら、
「往ク攸アルニ利ロシ」 である、
と辞を読みました。

で引き受けて執筆したそうです。

本が出版されて、
献本をいただいた時の話。

先生は本に署名と、
无妄二爻の爻辞とを
(筮した記録でしょうか)
書いてもらったそうです。

その時、先生は、
先方にこんなことを云いました。

この爻辞を私の方から読むと、
穫(ウ)ルニ耕サズ、畬(ヨ)スルニ菑(シ)セズ。
であるが、貴下の方から読めば、
耕サズシテ穫、菑セズシテ畬スル。
であると。

働いた先生には報酬がなく、
先方は仕事もせずに収穫を得たと、
こういうことであります。

この占には、
高度な占法も秘伝もありません。

ただ、
ひとつの辞に対して、
自由自在に主体を移動させ、
じょうずに占事に当て嵌めている・・

先生は、
いとも簡単に辞を玩んでいますが、
日頃易辞を読んでいなければ、
決してできないことです。