易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

田を耕す象

不耕穫、不菑畬、
則利有攸往。━━ 无妄、六二

ここでは、
農作業のことを云っています。

これは、
初から五にかけて、
風雷益の形があるからでしょう。

 
  

斲木為耜、揉木為耒、
耒耨之利、以教天下、蓋取諸益。
━━ 易経、繋辞伝 

風雷益には、
耜(すき)で田を耕す象があります。

それから、
二は地上にいるので、田の爻象です。*1
(乾二爻にも 「田」 とありました)

× × × ×

この辞は通常、
穫(か)りとるために耕さず、
畬(よ)するために菑(し)せざれば・・
と解しているのですが、これを、
耕さずして穫りとり、
菑せずして畬する・・
と読む説があります。

働かないで思わぬ金を手にする・・
という幸いがあるのですが、
これは、
无妄=无望=思いもよらぬ 
という立場からの解釈です。

柳下先生は、
「無欲で行うことは、時に
予期しない利益を招くことがある」
と参考程度に書いておられます。

小生は、おおむね、
「期望せず、・・ただ耕作につとめて
収穫は自然の成るにまかせ・・」
とする、岩波易経説を採用すれば、
それでいいと思います。

予期せぬ利益といっても、
「無欲で行うことは」
の限定付きですからね・・

*1:初と二は三才(天人地)では地の位です。