次の引用文は、
火水未済を得た後に、
易書を繙(ひもと)かなくても、
脳裡に浮かぶとよいようです。
始め悪く後に宜しい。
辛苦あるも最後迄仕遂げるが可。
然し多くは中途挫折。
(加藤大岳「易学通変」)
「始め悪く後に宜しい」
未済は先に既済を見る卦。
急がなければやがて済(ととの)うのです。
「辛苦ある」
下坎、互坎と坎が二つあります。
「最後迄仕遂げるが可」
急がなければ後に宜しいからです。
「然し多くは中途挫折」
卦辞に未熟な子狐は尾を濡らすとあります。
尾を濡らせば向こう岸には渡れないのです。