火山旅の九三を、
加藤大岳説で解釈すれば、
自分が正しいと思う過ちを犯す爻
ということになりましょうか。
陽爻陽位で位が正しいのですが、
それがかえって障害となって凶となる。
自分は正しいのだと強引に固執するが、
それは間違ったやり方・態度なのです。
旅は柔順謙下であるべきですが、
その卦義に反しますから。
この爻は艮の上にあって、
高いところに止まっていますから、
頑固で融通がきかないのですね。
旅という苦労の時にあって、
こんな態度に固執していては、
旅焚其次。喪其童僕。
という不幸に見舞われるのです。
(居場所の不幸。人間関係の不幸)
それで、
大岳氏は爻辞の「貞厲」を
「貞(かた)くすれば厲(あや)うし」
と読んでいます。
やはり旅にあっては、
六二のように柔順中正、
柔らかであるべきです。