これ、好きな爻辞です。
容飾や物質性よりも、
内面、精神性を重んじています。
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帝乙帰妹。
其君之袂、不如其娣之袂良。
月幾望。吉。── 帰妹、六五
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「帝乙帰妹」は、
泰の六五にもある文言です。
しかし、
岩波易経の口語訳を読んでも、
あまり感動しないかもしれません。
学者の、アタマの中でこしらえた、
無味乾燥な ‘解釈’ ですからね。
愚生が心を動かされたのは、
「易経講話」に引用されている、
程伝の爻義解釈です。
これはブンガクだ、と思いました。
「易経講話」もしくは「新釈漢文大系」、
または、本田済「易経講座」に、
程伝の註釈が出ていますから、ぜひ、
読んでみてください。
この爻は、
帰妹において柔徳中徳のあるところで、
高貴な女性が卑しい身分の夫に
嫁ぐ話となっています。
月、望に幾し・・の美しさ!