艮為山には、
難解な詩のごとき、
彖辞がかかっています。
× × × ×
その背に
その庭に行きてその人を見ず。
咎无し。
× × × ×
本田濟先生は、
こうおっしゃっています。
非常にわかりにくい、
象徴的な文句である。
(易経講座<程氏易伝>)
また、本田先生は、
同書の艮為山の説明において、
こんな話をされています。
この卦が特に宋学で重んぜられるのは、
程伊川の行なったこのような解釈による。
ちょうど程伊川と同じ頃の周敦頤という人は
「法華経全編はこの一つの艮の卦に及ばない」
とまで言っている。
それはこの(程伝の)ような解釈をするからである。
これより前に艮の卦を讃えた人がないわけではない。
晋の裴頠 という人が『崇有論』という論文を書いて、
「老子と同じことは、
儒教の経典で孔子がすでに言っている」
と力説して、艮・坤・節の卦を挙げている。
(同上)
艮為山とは、
実に「高尚な卦」のようです。
朱子もこの卦を、
「最も好きな卦」
と云っているそうですが、
愚生は易経講話の当該文章を読んでおけば、
それでよいとおもっています。
上を見過ぎず、
「ほどほどに」ということで。
艮の大象に曰く。
「君子以て思うことその位を出でず」