爻辞占の厄介なところは、
爻辞の内容を、
- 自分にあてはめる場合。
- 相手にあてはめる場合。
というように、
解釈に二面性がある点です。
たとえば、
天風姤の初爻には、
繋于金柅。金柅(きんじ)に繋ぐ。
とあります。
爻辞占において、
これをどう解するかというと、
- 自分を金柅につないで、進まないようにする。
- 相手を金柅につないで、進ませないようにする。
といった両面が考えられるのです。
また、上爻には、
姤其角。その角に姤(あ)う。
とあります。
これなどは、
- 人に遇うのに自分が角を以てする。
- 自分が角をもった相手に遇う。
というようにやはり両面があるのです。
こうした幅のある読み方は、
義理易ではしませんが、
占筮においては、
自由自在に操れるようになることが、
望ましいのです。
義理易は、
学者、評論家のように、
義理堅く解釈すればよいのですが、
占筮においては、
小説家、詩人のように、
創造性が必要とされる点が、
難しいのです。