易経彖伝では、
万物は損益の循環の中にあるとして、
人間に教えを垂れています。
損卦彖伝。
損益盈虚、與時偕行。
損益盈虚は、時とともに行われる。
益卦彖伝。
凡益之道、與時偕行。
およそ益の道は、時とともに行われる。
つまり、
減損も、増益も、
時に応じて行われるべきである、
と教えています。
これを季節に譬えれば、
春夏には万物を成長繁茂させ、
秋冬にはしぼませ固め充実させて、
次の春夏に備えよと。
損したり、益したり、
時とともに行動しなさいと。
易の理想は、天地と
歩調を合せることにあります。
こうした損益の道を、
現代の企業に置き換えるなら、
事業で大きな利益を得たら、
次には社会に還元するのがよろしい。
時の勢いが衰えてきたら、
いつまでも利潤追求に偏らないで、
次の発展のために内を固めるのがよい。
・・と云えると思います。
扨て、
我が国ですが、
易が教える損益の道に、
はたして適っているでしょうか。