地風升は ‘よい卦’ なのですが、
時と徳と応を得なければ、
事を成すことは出来ません。
この卦は、
五爻は中順の徳をもって二爻の剛中に応じ、
しかも、巽順の徳をもっている。
しかも、升るに、
その時をまって行くものであるから、
元いに亨通をえられる。
（「易入門」）
これは柳下先生による彖伝の解釈ですが、
卦辞の「元亨」を説明しています。
易を学ぶに際しては、
彖伝を読んで、これがどういう卦なのか、
掴むことが大切です。
升はいい卦ではあるが、
今すぐによいわけではないから、
時をまって行くのです。
そして、いくら、
昇進したり、昇給するというような、
上昇気流に乗った時であるとはいえ、
巽順の徳がなければ事を壊してしまう。
人にヘリ下って、決して高ぶらない。
傲慢では易の吉は得られないのです。
さらに、
世に出て大なる仕事をなすには、
上からの引き・他の援助がなければならない。
「巽下坤上」の卦ですからね。
巽も坤も「従う」「受け身」。
易は運勢の強い時ほど、
柔徳を重んじるものです。
上昇時に「剛」は危険だからです。
彖伝は、
卦義を知るのに有用ですから、
しっかり読みましょう。
