加藤大岳先生は、
山沢損の[占考]につき、
- 乾を以て坤を包む包卦である。
- 泰から坤が運移して来たものだ。
- 大離の似卦である。
と説明した後に、
このような文章を添えています。
・・・只今申したことは、
何時でも其のやうに損の卦を
解さなければならないといふのではなく、
彖・象の見方の他にさういふ見方も残されてゐる
といふことを注意したまでに過ぎませんので、
これは副次的な卦の見方で、やはり
損は損として判断してゆく方が、
本筋なのは言ふ迄もありません。
*色文字はブログ主による。
得卦というものは、
彖・象の見方が本筋なのであって、
故にまずは易経の見方でもって、
卦を捉えることが重要なのです。
このことは、
加藤大岳氏の言葉をアレンジすれば、
このようになります。
始め:
卦意というものは、
易の構成原理に根拠をおいており、
真勢の生卦法などは、あくまで
方術のために考えられた一つの占法ですから、
卦意を重くみて生卦法を用いるべきで、
この反対に、卦意を無視して唯機械的に
用いてはならないのです。
:終わり
時々、
「易経なんか読んでも、
占師の書いた本を読まなければ、
占うことはできない」
という人があるのですが、
これはどうでしょう。
小生などは、
易経(経文・伝・註釈)を読まなければ、
卦を正しく掴むことは出来ないと
思うのですが・・。
ちなみに、
易学大講座について云えば、
彖辞・彖伝・大象伝の解説をして、
その後で[卦の占考]について説明する、
という構成になっています。
そして、
[卦の占考]の文章は、
こんなふうに始まっているのです。
筮して此の卦を得た場合には、
只今説明しましたやうな卦の象を推して、
総ての占事に対して
明確な判断が生まれる筈ですが・・