易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

爻辞占の絡繰

三変筮は爻辞占が原則です。

とはいうものの、
爻辞どおりに占っても、
的外れなことも多いのです。

これは、
爻辞のかけられ方にも、
その原因があります。

すなわち爻辞は、
運勢の象を云わないことがあって、
このように振舞えば、
「中徳」を保てるゆえに、
終には「咎なし」だとか「吉」ですよ、
的な掛けられ方をしているからです。

つまり、
教え・戒め・修養、
の辞であることが多いのです。

しかし、
常人においては、
「中」などの徳を保つことは、
容易ではないのです。

すなわち、
爻辞のようには、
振舞えないのが、
ふつうの人間なのです。

あるベテラン先生は、
「こうした出来ないことを
 云っているのが易なのです」
とよく漏らしていました。

なので、
占においては、
爻辞という教え・戒めの前段階である、
爻象の状態、すなわち、
位が正しくないとか、
過爻、過剛だとか、
陰柔不中正であるとか、
坎の主爻であるとか、
正しくない応比であるとか、
ソチラを見て占う方が現実的なのです。

いわゆる「運勢」というものは、
卦という「時」における、
これらなのです。

「いや、オレは聖人君子だ」
とおっしゃる方でしたら、
どうぞご随意に。笑

でも、
そんな人、いますか? 

私情に流れ、
私欲を追い求め、
見栄っ張りで、
ジッと止まってはおれぬ、
そんな人ばかりでは? 

ここに、
爻辞占の、
「おみくじ占」とは異なる、
特殊な面があるのです。

ゆえに、
正しい爻辞占は、
卦を見、爻を見、辞を見て、
それらを人物と照合してみて、
コレガ占的ニ対スル答エダ!
という部分だけを抽出して、
バチ~ンと断を下す、と、
そういうことなのです。

しかし、
こうした見方というのは、
ただの可否占だというのに、
実にムツカシイのです。