朱子は、
真勢の生卦図のような図を、
周易本義に付しています。
朱子の卦変図です。
たとえば、
雷水解は地風升から来た卦で、
九三が進んで四爻に往ったのである、
というのです。
しかし、
この図のキャプションには、
次のような注意書きがあります。
(意訳)
彖伝はあるいは卦変によって説明できる。
今、卦変図によってこれを明らかにする。
しかしこれは易中の一つの意義であって、
卦を描き、易を作ることの本指ではない。
すなわち、
卦変という見方もできるが、
それが唯一絶対なのではないよと、
朱子自らが云っているのです。
これより、
卦変や生卦というものは、
理論的で精緻なモノではありましょうが、
やはり占筮は偶然の産物ですから、
占を公式化してはマズイ、
と小生は考えます。
思うに、
帰魂の卦、遊魂の卦というのも、
一種の卦変から生じたと云えますから、
「周易」においては、機械的に
用いてはならない気がします。
呑象高島氏や柳下氏などは、
重病人などの占に限って、
これらを採用しています。