遯尾厲。勿用有攸往。
象曰、遯尾之厲、不往何災也。
── 遯、初六
遯(のが)れる時なのに、
時を失して遅れてしまった者。
このまま逃れるのは危険だが、
卑下の位(草莽)に隠れておれば
災いには罹らないだろう。
岩波「易経」等には、
「
使われています。
才能の光をくらまして、
馬鹿なフリをしていましょうと、
そんな感じでしょうか。
伏卦は同人。
目立たないで大衆に紛れておれ、
という教えととらえましょう。
× × × ×
この爻については、
易学大講座にこんな占考あり。
縁談なども不可。
但、婚期を過した婦人などの場合は
案外に良縁のことがあります。
「勿用有攸往」ですから、
結婚の可否は不可と云えます。
なのに但し書きの、
婚期を過ごした婦人の場合は・・
というのは?
これは之卦(正しくは伏卦)を、
強く見ているのでしょう。
逃げ遅れて不遇だった婦人は、
回天の機を得て同人運となる、
皆がしている結婚というものをする、
というのでしょう。
天山遯は、
遯レテ亨ルナリ(彖伝)、
という卦ですからね。