易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

下乾の極

書店で平積みされている易経本に、
「乾惕」という語があります。

出所は易経にあります。

× × × × 

君子終日乾乾。
夕惕若。厲无咎。
── 易経、乾九三 

君子(人格者)たる人は、
朝から晩まで乾々と彊(つと)めて、
惕若(てきじゃく)と油断せず、
緊張して努力精進すれば、
厲无咎(あやふけれどなしとがめ)、
即ち危(あやふ)い場合も、
無難に切抜けることが出来る。
(服部宇之吉)

× × × × 

大象には、
天行健。君子以自彊不息。
ともあります。

易を学ぶ者は、
天体が休むことなく運行しているように、
日々易経を読まねばならぬ。

・・と云えると思います。

柳下先生は、
「この卦を得た時は、
何はともあれ勤勉でなければならぬ」
と云っていました。

× × × × 

扨て、
占において乾の三爻を
得た場合ですが・・

辞はアドバイスとして
用いるべきであって、
安易に「頑張れば大丈夫」とは、
占うべきではありません。

岩波易経には、

  • 下卦の極。
  • 警戒を要する危位。

とちゃんと書いてあります。

ですから、
占った時点では、
「危うし。咎あり」
と見るのが常道なのです。

これは、
算木を見れば、
一目瞭然でしょう。

純陽の卦で、
三という危位にあり、
下卦の極で乾の上。
重剛不中。
虎の尾を伏す。

どう見ても、
剛に偏り過ぎるのです。

勤勉というより、
毒を吐き(兌を伏す)、
自信過剰になり、
自らの誤りを認めない。

まあ、
我が国の首相のごとき、
爻象なわけです。

ゆえに、
修養の面から云えば、
努めて剛に過ぎる点を
抑えるべきであると。

・・など、など、
頭の中で想定しながら、
順次占考を進めていくのが、
三変筮という筮法です。

× × × × 

小生の勝手な解釈ですが、
乾三爻の辞を、
昼間は黙って務めを果たし、
夕べには神を畏(かしこ)めば・・
と読んでもよいと思います。