棟橈。凶。
── 大過、九三
この爻は、
陽盛の卦にあって・・
爻も陽。
位も陽。
かつ不中。
巽の極で躁卦。
・・なんです。
陽に過ぎる卦にあって、
陽に過ぎる爻なのです。
「その凶たること知るべし」
・・です。
応爻上六(陰)の助けは得られないの?
と思うかもしれませんが、
眞勢中州氏はこう云っています。
按ずるに此爻は、
上六と陰陽相応ぜり、
これ陰陽相助くるの義有り、
然るに応爻の助の義を云はざること
如何んと云に、
先づ棟を以て云ふ時には
上に在る所の応爻は、
我負ひ戴する所の任たれば、
これ我を助くる者には非ずして、
卻(かへ)つて我を圧して
重みて増す所の者とす、
これ其応爻の助けを説かずして、
橈(たわ)むことを説ける所以たり、
(周易釈故)
小生はこの説明が
一番わかりやすいと思います。
そして・・
さらに、
こんな云い方も
できると思います。
上六が弱いために、
それに手をかけると屋根全体が崩れ、
六三は押し潰されるというわけ。
「棟橈」の辞は、
卦辞にもありましたから、
この爻がこの卦の成卦主といっても
よいのかもしれません。
そんな爻です。