暮れも押し迫ったある日、
ふいに日本人の小説を読もうと思った。
以前見た新潮文庫の川端康成「山の音」
の紙触りがよかったからだ。
年末書店に行くとレジ前には、
30人くらいだろうか、長蛇の列。
店員サンが「最後尾」のプラカードを掲げていた。
ぎょえっ!
一瞬にして「山の音」の購入意欲はそがれた。
で去年スタンダールを読んでいたとき
ついでに買った大岡昇平「武蔵野夫人」
を読むことにした。
この「はけ」の文章は、
武蔵野は自分にとって地元感覚なので
興味を持って読んだ。
まだ読んでいる途中だが、
冒頭の地形の文章であったり、
文章の連なる感じ、心理の描写、情熱など、
スタンダールを思わせる。
実際登場人物の一人は、
大学の先生でスタンダールが専門だ。
しかしこの表紙の、
後姿の女性は見事だなぁ。笑