易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

スタンダール を好む

住み込み家庭教師の ジュリアン が、
レナール 邸を出て行く・・すなわち、
レナール 夫人との別れの シーン を、
昨夜、寝床で読んで心をうたれた。

ジュリアン は、この生きた屍の
生気の通っていないような接吻をうけて、
いいようもない気持にうたれてしまった。
数里を行くあいだ、
ほかのことは考えられなかった。
彼の心は悲しかった。
そうして、山を越えてしまうまで、
ヴェリエール の寺の鐘楼が見えるかぎりは、
いくたびも後をふりかえって見た。
桑原武夫生島遼一 訳『赤と黒』) 

※「ヴェリエール の寺の」とありますが、
 「寺」でなくて「教会」だよね、きっと。
  by ブログ主

「生きた屍の生気の通っていない・・接吻」
墓石の上を ヘビ がはっているような
つめたさを感じます。

スタンダール の文章って、
描写ではなくて説明文のようなのだが、
なぜかよいと思わせるんだよな。

「彼の心は悲しかった」
なんて何の芸もないじゃない? 笑

でも素晴らしいんだよね、
スタンダール の文章は。

この シーン を離れるのがモッタイ なくて、
指を ページ に挟んだまま、
朝まで眠ってしまいましたよ、ワタクシ 。