易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

易の大吉

易中の「大吉」は、
おみくじの「大吉」とは異なりますので、
注意が必要です。

たとえば・・

大吉。无咎。
 象伝曰。大吉无咎、位不当也。
── 沢地萃、九四

この「大吉」につき、
加藤大岳氏は次のように註しています。

大吉に就いて
之は一つの研究題目ともなると思ひますが、
「オホヒニ吉」と云ふ場合
「大吉」もあれば「元吉」もあります。
どう異なるかと云ふことを考へてみることも
必要かも知れません。
ここでは一応、元吉の方は非常に吉である。
大吉の方は大なれば吉、小なれば凶と云ふやうに
條件付きの意味に解してをきますが、
尤もかう解釈してゆけば
他の場所でも説明し易い様に思ひます。
無條件と條件付きと云ふ風に
「元」「大」を解してみるわけです。
さうでないとこゝの大吉と位不当との
関係の意味が大変採りにくゝなります。
條件と云ふ言葉は不当かも知れませんが
制約とでも申しませうか
・・・他により妥当な解釈があれば
御聞かせ願ひたいと存じます。
(易学大講座、頭注)

「大吉」の意味を、
おみくじのそれととってしまうと、
象伝の「位不当」との整合性が
取れないことになってしまいます。

ですから、
「大なれば吉」として、
条件付きの吉であると、
解するべきなのであると。

少しややこしいですが、
爻辞占とはこのようなモノなので、
易経、あるいは易学大講座を、
よく読む必要があるのです。

× × × × 

大岳説とは少し異なりますが、
ブログ主は萃四をこう捉えています。

運気の強い爻であるが、
位が正しくないため、
彖辞の「利貞」に反して、
過ちを犯しやすい。

傲慢不遜となって、
九五の社長を見下したり。

四は家来の位地なので、
臣節、貞を守るべきである。

そうすれば、
大なる吉を得て、
咎なしを得られよう。

・・と。

大有の四爻を参照すると、
よいと思います。