易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

呑象の株式占

ある株式の高下を問われた呑象氏は、
筮して解の上爻を得たそうです。

爻辞曰、
公用射隼于高墉之上。獲之无不利。

本文を引用します。
(表記は改めてあります)

断に曰く、この卦は動きて険を免るるの卦なり。
乃ち今の時に当たり、株式を売却し、
得難きの利益を得、後の災いを免るるの時なり。
これ、あたかも、隼を高墉に見て、
一矢を以てこれを射止め、後災を去るが如し。
もし、かくの如くせざれば、逐卦損に至り、
大いに損失あるべしと占す。
(「高島易断」)

逐卦(ちくか)というのは、
序卦のことをいっています。
解の次は損卦ですね。

高島氏の占例の文章は、
いつも卦意を述べることから、
始まるのです。

これは見習うべきです。

しかし、この占は、
「株式の高下」が占的であるのに、
それに対する言及はなく、
いきなり売買の話に及んでいます。

これは見習うべきではありません。

この卦は、
坎下震上という卦体なので、
これまで低かった株価()が、
上爻に至って反発上昇()する
というのでしょう。

なので、
卦の極という転機をうまく捉えて、
ここで売ってしまうのがよいと、
判断したのです。

卦辞の「夙吉」、
というわけです。

そして、
序卦断法を使って、
今売らないと損卦(損失)になるから、
機をうまく捉えるべきを、
教えているのです。