ある株式の高下を問われた呑象氏は、
筮して解の上爻を得たそうです。
爻辞曰、
公用射隼于高墉之上。獲之无不利。
本文を引用します。
(表記は改めてあります)
断に曰く、この卦は動きて険を免るるの卦なり。
乃ち今の時に当たり、株式を売却し、
得難きの利益を得、後の災いを免るるの時なり。
これ、あたかも、隼を高墉に見て、
一矢を以てこれを射止め、後災を去るが如し。
もし、かくの如くせざれば、逐卦損に至り、
大いに損失あるべしと占す。
(「高島易断」)
逐卦(ちくか)というのは、
序卦のことをいっています。
解の次は損卦ですね。
高島氏の占例の文章は、
いつも卦意を述べることから、
始まるのです。
これは見習うべきです。
しかし、この占は、
「株式の高下」が占的であるのに、
それに対する言及はなく、
いきなり売買の話に及んでいます。
これは見習うべきではありません。
この卦は、
坎下震上という卦体なので、
これまで低かった株価(坎)が、
上爻に至って反発上昇(震)する
というのでしょう。
なので、
卦の極という転機をうまく捉えて、
ここで売ってしまうのがよいと、
判断したのです。
卦辞の「夙吉」、
というわけです。
そして、
序卦断法を使って、
今売らないと損卦(損失)になるから、
機をうまく捉えるべきを、
教えているのです。