大畜の彖伝・大象には、
徳を畜(やしな)う、賢人を畜う、
ということが書かれてありました。
と、
次の山雷頤もまた、
養いの道を説いております。
「やしない」つながりですが、
卦の形を眺めると、ちょっと
ニュアンスが違うようです。
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大畜はよい資質の三陽爻を養うという、
充実したものを感じるが、
頤は外実内虚で、
中が四陰爻であり空虚である。
大畜は、
立派な人材を育てて、
役人として国のために働かせる。
頤は口の象ですから、
腹が減ったから飯を食う、
・・みたいな。
もちろん、
頤卦においても、
聖人は生真面目ですから、
賢人を養うことをも、
説いてはおりますが。
この卦を眺めてみて、
いの一番に、
斯様なことを思いました。
× × × ×
頤の卦辞に、
観頤。自求口実。
とあります。
こんなふうに読んでみました。
頤の形を観よ。
☶
☳
口の字形の空虚なるを知ったなら、
自らその中を実で満たせ。