吉凶の義について引用しておきます。
吉
繋辞上伝に、吉凶者失得之象也*1とありて、爻辞に吉凶を言ふこと多し。吉は善なり、利なり、得なり、凶の反なり。凶
凶は吉の反なり。失なり、損なり、咎なり、殃なり。爻辞に凶を言ふこと多し。繋辞下伝に、情近而不相得則凶*2とあり。
(呑象高島氏 「易学字典」)
高島氏は斯(か)く申しております。
易経の吉凶はチトわかりにくいと思います。
小生個人の感覚では、吉凶は、善悪。道を得ている、失っている。
と、そんな意味ではないかと思うのです。
たとえば、
「大吉咎なし」 という辞ならば、
大いに善ならば、咎はなくなるであろう。
と、そんな解釈をするというように。
朱子なども、そのように解しており、
これを 「大善の吉」と云っています。
こうした解釈をする限り、易においては、
「吉」 とあっても単純に吉判断することは出来ないのです。
「凶」 のほうは、まあ、
そのまんま凶でいいと思いますが。