男と女を分けてモノを語るなんざ、
今の世の中では叱られてしまうか。
愚生は役者なら男が好きだ。
歌手は女がよい。画家は男。
小説や詩は男。・・こうしてみると、
愚生は男の方が好みに合うようだ。
しかし文学に関して三人の例外がある。
多田智満子。倉橋由美子。樋口一葉。
このお三方には関心がある。
樋口はよく知らないが、多田、倉橋は
並の男より理知的である。勿論、
愚生など両氏に比べたらふやけた脳みそだ。
最近こんなのを書棚から引っ張り出した。
凡庸な頭ではとうてい理解できない。
倉橋氏の小説は、詳しくはないが、
チラと読んで大変な力量だと感じた。
ちょっと前、吉祥寺の古本よみた屋で
倉橋氏の生原稿を見たことがあった。
生真面目な女学生のような柔らかい文字で
意外に思ったことがある。
しかし好感の持てる筆跡であった。
今は誰かに買われて無い。