易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

合否の占

こんな受験生を占うとします。

× × × × 

大学在学中から司法試験を受け始め、
試験に落ち続けて、年齢は
30歳目前であるとします。

今度落ちたら、
田舎に帰って実家の農業を継ぐ
つもりであると。

因みに、
模擬試験の合否判定は、
常に合格圏内にあるとのこと。

合否を筮して、
坎為水第三爻を得ました。

爻辞に曰く、
来之坎坎。険且枕。入于坎窞。勿用。

× × × × 

ふつうならば、
“不合格” と断じるでしょう。

坎、また、坎で、
同じことを繰り返す象であり、
爻辞もよろしくないですから。

しかし、
この得卦で “合格” と、
判断することも可能なので、
この例題を作ってみたのです。

まず、
占的が法律関係なので、
坎卦が得られたと考えます。

重卦が得られたのは、
長い苦しい受験生活を示していると
考えてもよいでしょう。

さて、
実力は合格圏内とのことなので、
合格の兆しを卦に求めてみます。
  
卦の “形” にそれが見て取れます。

二~五爻に、
離に似た枠(わく)があって、
得た爻はその枠内に入っている。

すなわち、
合格という栄誉を勝ち取り、
法律家の枠内に入る象であると
見ることが出来るのです。

× × × × 

「難卦だから凶である」と、
単純に判断してはならないことが、
おわかりになるでしょう。

しかし、
だからといって、
坎の三爻を得て、
常に “合格” と占ってしまっても、
これまた浅はかです。

このあたりを、
どう上手に判断するか。

そこが、
占者の実力というわけですが、
合否を判定することは、
占者にとって、実に、
悩ましい問題だと思います。

「合否の判断は難しいですから、
 目安として用いるべきです」

柳下尚範先生は、
そうおっしゃっています。