坎為水と離為火は、
読んでいて面白く感じます。
大岳氏が云うように、
辞が文学的である、
ということもあるのでしょう。
それぞれの上爻の辞も、
以下のように見ると、
なかなかに興味深い。
坎を法律となし、
刑獄となす、
故に坎卦上爻に、
「係用徽纆、寘于叢棘」
と言う。離を戈兵となし、
甲兵となす、
故に離卦上爻に、
「王用出征」
と言う。
(明の何楷)
坎の終りは、
牢獄に囚われる。
離の終りは、
戦争です。
たしかに、
法律(坎)の窮極は監獄である、
とは云えそうですね。
赤塚忠先生は、
「離卦文明の極が
武事となる趣向も面白い」
と云っていますが、
文明(離)の成れの果てが「戦争」、
という辞の繋属は、あるいは、
云い得て妙のようにも思われます。
× × × ×
どこかの大学の先生は、
「文明が進むと疫病が流行る」
と云っていました。
交通の発展しかり。
森林開発しかり。
地球温暖化しかり。
まったく・・
人間の知性というのは、
ロクな事をしないようです。