水沢節・上爻の失せ物占につき、
加藤大岳氏はこう占考しています。
紛失物は思ひ諦むべきです。
変卦の中孚には大離の象があつて、
諦めた頃に思ひがけなく
発見されることがありますが、
それは十中一二の例外です。
（易学大講座）
これは六変筮というより、
略筮・三変筮における占考例だと
思われます。
（上六という「爻」の占考ですから、
当然三変筮が前提ですね）
まず、
「思ひ諦むべきです」と、
最初に結論を述べています。
これは、爻辞に準拠した、
『苦労しても報われない』との
判断なのでしょう。
「変卦の中孚」は、
現代では伏卦の中孚と云いますが、
これが「大離の象」なので、
発見される暗示もあるのですが・・
しかし、大岳氏は、
「それは十中一二の例外です」
としています。
氏のこの思考は、
十分に検討されるべきです。
単純に之卦によって、
結論を出していませんね。
これは之卦よりも、
得られた爻の意味を
重視しているからだと
思われます。
之卦で結論を出すのなら、
最初から之卦が出ている ﾊｽﾞである、
と考えるほうが合理的ですから。
ところで、大岳氏は、
昭和初期の時点で、
現代の三変筮に近い考え方を
すでにお持ちだったのです。
これには ﾋﾞｯｸﾘ です。
