易占家だからといって、
有名な易学者の易説をすべて
読む必要はない。
岩波の易経程度の理解でいいと思う。
過去の易説は卦や爻や辞の
理解を深めるために読めばよく、
たとえば程伝や朱子本義に易占の
答えが記されているわけではない。
易断は岩波易経を見て、
筮前の審事を尽くすことによって、
占者自らがその都度導き出すものなのだ。
易占家は「学者」ではないのだから、
ちょっとくらい学問から外れていようと、
自分の判断で断を下せばよろしいのだ。
そういう意味で易占家は小説家や詩人に
近いと云ってよい。
文法や史実や原義による力づくの判断ではなく、
占者としての想像力、文学的な解釈で以て
柔軟に占えばそれでよいのである。