易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

なんでもない占

武隈天命氏の占例です。

× × × ×  

平成18年の占。
相談者は当時60歳の女性。
「これからブティックの経営をしたい
 のですが、どうでしょうか?」
と訊かれたので占いました。
  風沢中孚 九五 
氏は、
この卦の「中虚」の象意から
『儲からない』と見ました。

しかし、
問占者があまりに熱心だったので、
「あまり儲からないでしょうが、
 おやりになっても宜しいかと思います」
と占断。

そして、
中孚の「大離の象」から、
「文書」の象意を見て、
「まめに折り込みチラシなどを入れ、
 宣伝にも力を入れた方がよいでしょう」
とアドバイスしています。

(出典:「易占の要諦」p.129)

× × × ×  

カッコいい生卦法は用いていませんが、
なかなかよい易占だと思います。

卦象を見、
爻辞を見ています。

実にシンプルですが、
なかなかこうサラッとは、
実占例は書けないものです。

占例のお手本のような文章です。

いちいち解説はしませんが、
これは大岳氏の易を学んだ人だと
わかるものです。

知識としては、
柳下「易入門」の域を出ていません。

各自、
この占例を噛み砕いてみてください。

紀藤元之介氏でしたか、
「なんでもない占、かえって名占」
と詠っていたと記憶します。