武隈天命氏の占例です。
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平成18年の占。
相談者は当時60歳の女性。
「これからブティックの経営をしたい
のですが、どうでしょうか?」
と訊かれたので占いました。
䷼ 風沢中孚 九五
氏は、
この卦の「中虚」の象意から
『儲からない』と見ました。
しかし、
問占者があまりに熱心だったので、
「あまり儲からないでしょうが、
おやりになっても宜しいかと思います」
と占断。
そして、
中孚の「大離の象」から、
「文書」の象意を見て、
「まめに折り込みチラシなどを入れ、
宣伝にも力を入れた方がよいでしょう」
とアドバイスしています。
(出典:「易占の要諦」p.129)
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カッコいい生卦法は用いていませんが、
なかなかよい易占だと思います。
卦象を見、
爻辞を見ています。
実にシンプルですが、
なかなかこうサラッとは、
実占例は書けないものです。
占例のお手本のような文章です。
いちいち解説はしませんが、
これは大岳氏の易を学んだ人だと
わかるものです。
知識としては、
柳下「易入門」の域を出ていません。
各自、
この占例を噛み砕いてみてください。
紀藤元之介氏でしたか、
「なんでもない占、かえって名占」
と詠っていたと記憶します。