月、望に幾(ちか)し。
月は満月に近い。
── 中孚 四爻
この句に関する、
程伝の註釈はこうです。
四を孚を成すの主となす。
君に近きの位に居り、
処ることその正を得て、上これを信ず。
孚の任に至当なる者なり。
月の望に幾きがごとく盛んの至りなり。
すでに望なれば則ち敵す。
臣にして君に敵すれば、禍敗は必ず至る。
故に望に幾きをもって至盛となす。
四は位が正しいから、
五に信用されるのですね。
立場がよく、運勢は盛んですが、
満月の一歩手前で控え目にしておるのがよい。
盛んに過ぎて五と敵対してはならぬ。
もし対抗すれば、
五のほうが位が高いから、
四は必ずワザワイを蒙るであろう。
みたいなことを云っています。
上がどんなにポンクラでも、
下は上には勝てないんだよね。
それが、
群れ、組織、社会というもの。