柳下尚範先生は、
震為雷を得た場合につき、
こう記しておられます。
震卦を得た時は、
驚くことに遭遇するが、
その割に実害はないものである。
(易 占法の秘伝)
この占意は、
彖辞をそのまま使っています。
震・来たりて
虩虩 。
笑言・啞啞 。
激烈(はげ)しい雷に遭遇し、
人々は驚いて恐れおののく。
しかし過ぎてしまえば実害はなく、
アア、ヨカッタと笑い声に変わる・・
・・てな按配です。
これは震卦の代表的な意味ですから、
まずこれを頭に浮かべるとよいのです。
特に「震来虩虩」の四字。
ビックリすることにあう、のです。
「虩虩」を儒家ふうに深く読めば、
恐致福也(彖伝)ということで、
恐れて慎めば幸福を招き致すのですが、
凡人はそこまでは無理でしょう。