沢火革、彖伝の後半です。
天地革而四時成。
湯武革命、順乎天而應乎人。
革之時、大矣哉。
「新釈漢文大系 易経」には、
「革」の道を極言しその大なるを賛嘆する。
と書いてあります。
同書に引用してある、
「程伝」の註釈が立派だったので、
どうぞお読みになってみてください。
革の道を推して、天地の変易、時運の終始を極むるなり。
天地陰陽は推遷し改易して四時を成す。
万物ここに於て生長して終るを成し
各々その宜しきを得て後に四時成るなり。
時運既に終れば、必ず革めてこれを新たにする者あり。
王者の興るは、命を天に受く、故に世を易ふる、
これを革命といふ。
湯武の王たるや、上は天命に順ひ下は人心に応ずるは、
天に順ひ人に応ずるなり。
天地の変改し世故の遷易するは革の至大なるなり、
故にこれを賛して曰く、
革の時、大いなるかな、と。
易にいう革命は、
権力欲による暴力革命ではなく、
天に順い、人の望みに応えてなされる、
「天地とその徳を合せる」といった、
易の理想に適ったもののようです。
「程伝」の高邁な文章は、
読む者の胸にぐっと来ますね。