加藤大岳先生は、
沢地萃の卦を説明するに際して、
沢天夬、水地比と照らし合わせて、
解説しています。
そして、
このような学び方につき、
こんなことを云っています。
「易を以て易を学ぶ」といふことは必要です。
その最も狭い意味に是れを当てると、只今の
夬や比を以て萃を解するのなどが其れですが、
何故そんなことを事更に茲(ここ)で言ふかといふと、
一つの卦を学ぶことは他の六十四卦を学ぶことであり、
一卦の占に通ずることは、六十四卦の占に
通ずることである・といふやうな心算(こころづも)りで、
一卦一卦を勉強して戴きたいからであります。
(易学大講座)
これは、公田連太郎翁も
しばしば同じようなことを云っています。
小生もそう考えていて、
ひとつの卦を学ぶということは、
六十四卦三百八十四爻を学ぶことであると。
易は、
卦、爻、辞が、
そのように有機的に出来ている。
それゆえ、
たとえば経文の「貞」字、「惕」字、
などの一文字を学ぶためには、
単に辞書を引いてもよく理解できなくて、
六十四卦三百八十四爻に通じていなければ、
こうした一文字は理解できないのだ、
とそんなふうに考えているのです。
「易を以て易を学ぶ」
これは大事な視点であると思います。