地天泰の五爻には、
「もって祉(さいわい)ありて元吉」
という辞がありますが、安易に
吉占だと考えてはなりません。
この卦の六爻は、
泰が徐々に崩れて、上爻に至って
ついに落城するという変化を見ています。
そうした五番目の爻ですから、
運気はもはや下り坂なのです。
六五の爻辞は、
安泰が崩れた時にどうするか、
が述べられていると知るべし。
「帝乙帰妹」
高貴な女性を身分の卑しい賢臣に嫁がせたが、
決して高ぶったりはしない。
そのような謙虚さであれば、
衰運にあっても幸いが得られるであろう、
というのです。
こうした爻意に適って、
始めて「元吉」の判断が下せるのです。
しかし、ふつうは、
過去の栄華が忘れられない。
平和ボケしている。
・・でしょうかね。
ちなみに、
この爻に「帰妹」とあるのは、
互卦に雷沢帰妹があるからです。