眞勢易秘訣によれば、
火沢睽には「異変奇怪の意」
があります。
睽反、睽異という、
卦意から転じたのでしょうが、
爻辞を見ていくと、
上爻にこのような辞がありました。
睽孤。
見豕負塗、載鬼一車。
そむいて独り。
泥まみれの豚どもと、
幽霊を載せた車を見る。
これは、確かに、
「異変奇怪」ですが、
ここで見ているのは実は幻想です。
この幻想辞に対する、
各易書の記述を並べてみます。
- 易経全体の中でも最も幻想的で奇怪である。
- 其辞(ことば)亦陰怪ナリ。
- 不浄不潔の至極。妄想の甚だしきなり。
- これは現実ならぬ心霊世界に深入りしているから、言葉も抽象的です。
- 豕を見ては我を汚さんかと疑ひ、鬼を見ては我に祟(たた)らんかと疑ふのだ。
卦極にあって、
離の上なので見え過ぎる、
そして現実に睽くということで、
このような超自然、怪異を見るのか。
けれど、
小生の好きな辞です。