古い資料を見ていると、
こういう場合には誤占しやすい、
という文章がありました。
当該文章は、
執筆者が『実占研究』などを読んで、
メモしておいたものだそうです。
読んでみると、
誤占をしないため・・もそうですが、
基本をキチンと押さえる、
と言い換えてもよい内容です。
いくつか掲げてみますと・・
- 卦の名にとらわれない。復・剥・泰・否などがとらわれやすい。何の卦が出たから、どうこうというように善悪、良否を決めないこと。
- 複雑な占法より簡単な占法で。複雑な占法をいいように思わない、簡単な占の方が成功しやすい場合が多い。
- 筮前の審事、即ち問占者から事情の内容を詳細に聞くこと、これを疎かにすると誤占につながる。
- 384爻もある中から、この卦とこの爻を出された、これこれによって今解決するという、強い勝負師的決心でなければ明確な断はできない。得卦判断に際しては「よい」「わるい」「こうなる」とはっきりした言葉で答えを出す。
× × × ×
以下、小生の感想です。
「卦の名」
これ、入門者にありがちです。
年筮でも、よい卦を得た、悪い卦だった、
などの文章をよく見ました。
某易占家の病占には、
坎為水を得てよい判断をして適占、
というのがあります。
「簡単な占法」
簡単な占法が簡単なわけではない。
三変筮の可否占など、
易経の理解の深さが占に如実に表れます。
しかし、
初学者ほど複雑な占法に踊らされる。
「筮前の審事」
得卦絶対主義ではなく、
筮前の審事に合せて、
得卦を上手に読み替えることが、
占者の腕です。
「明確な断」
断じないで あ~だこ~だ 云うのは、
おばちゃんの人生相談です。
易占はバチンと断ずべし。
当たり前ですが、これが出来ない人がいる。
お客さんから苦情の来るタイプ。
断のない占はゴマカシですから、
結局実占力がないのです。
× × × ×
総じて、
あまりに精緻、あまりに人為的な占は、
どこかで道を間違えていることが多い。