朝、寝床で tweet を見ていると、
「各得其所」という慣用句があった。
【各得其所】gè dé qí suǒ
— 中国語常用成語・慣用句bot (@Chugokugo_joyo) 2020年11月29日
(各々がその所を得る→)それぞれが適所を得る。適材適所である。
例:那个时候,我们向蒋介石提出的一个口号,就是要各得其所。
○『易経』繋辞下伝「日中为市,致天下之民,聚天下之货,交易而退,各得其所。」から。
《中検準1級(2013_11)》
出典が『易経』繋辞下伝ということで、
これは火雷噬嗑だとおもった。
しかし「各得其所」の
句についての意識は薄かった。
原文を引いておこう。
日中為市、致天下之民、聚天下之貨、交易而退、
各得其所、蓋取諸噬嗑。*訳は岩波易経 下 p.256 を見てください。
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噬嗑卦は、
上卦は離の日で、
下卦は震の動くです。
すなわち、
日中に人々が動いている
市場の象です。
「日中」については、
鈴木由次郎先生は、
「大昔は昼間市を開いた」
としておられます。
そして、
噛み合わせて亨るという卦意より、
市場に大勢の人と物資を集め、
それぞれが交換(交易)し合うことで、
各々その欲する所を得る。
*1
後年、
「各得其所」は慣用句となり、
それぞれが適所を得る、適材適所、
という具合に推移した、
のでしょう。