易経を読むブログ

易の 辞・変・象・占 について記しています。読書、日記、時事も。無断転載禁止。

各得其所

朝、寝床で tweet を見ていると、
「各得其所」という慣用句があった。


出典が『易経』繋辞下伝ということで、
これは火雷噬嗑だとおもった。

しかし「各得其所」の
句についての意識は薄かった。

原文を引いておこう。

日中為市、致天下之民、聚天下之貨、交易而退、
各得其所、蓋取諸噬嗑。

*訳は岩波易経 下 p.256 を見てください。

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噬嗑卦は、
上卦は離の日で、
下卦は震の動くです。

すなわち、
日中に人々が動いている
市場の象です。

「日中」については、
鈴木由次郎先生は、
「大昔は昼間市を開いた」
としておられます。

そして、
噛み合わせて亨るという卦意より、
市場に大勢の人と物資を集め、
それぞれが交換(交易)し合うことで、
各々その欲する所を得る。
*1

後年、
「各得其所」は慣用句となり、
それぞれが適所を得る、適材適所、
という具合に推移した、
のでしょう。

*1:日中為市、上明而下動、又借噬為市、嗑為合也。
周易本義)