易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

転業の占

易学大講座に記載されている、
加藤大岳氏の占例です。

× × × × 

製陶業(*)を営んでいる人が、
*陶磁器などを製造する工業。
商売がうまくいかないので、
「転業して役場に勤めようと
 思うのだがどうだろう」
と大岳氏に相談したところ、
氏はこれを筮して、
明夷之小過 を得ました。

判断はざっと以下のようです。

本卦の明夷は、
明るい希望を失うという卦で、
現在の状態を示している。

外卦の坤はやきもので、
内卦の離は火ですから、
土を焼き陶器を作るという、
現在の業務の象です。

その明夷は、
やぶれ、仕損じるという卦ですから、
商売の欠損はしばらく続く。

之卦の小過は、
役場に勤めた場合の
成行きを示しています。

小過は、
過ちのある卦で、大坎の象なので、
なやみ、痛手の多い暗示です。

ということで、
本卦も、之卦も、
よい運勢とは云えません。

では、どうしたらいいか。

明夷は、
今が一番運気の悪い時であるが、
苦しみつつも辛抱しておれば、
離の太陽は三変転して、三年後には、
火地晋になるという希望がある。

よりて、
現状を保った方がまだマシであるから、
転業すべきではないと、最終的に
大岳氏は断を下したのでした。

岳氏は、
この占のポイントを、
このように述べています。

そこで此占例の要点を申上げますと、
本卦を現在、之卦を転職後の成行と見、
変卦が本卦明夷の成行よりも悪いので
思止まらせたところであります。

× × × × 

このような卦の見方は、
六変筮だけでなく、
三変筮においても活用すべきです。

すなわち、
現状を保った場合と、
転職した場合とで
それぞれに卦を出してみて(分占)、
比較考量するというやり方です。