一般に、
地天泰という卦は、
「めでたい」と云われます。
安岡正篤氏も、
古来売卜者の店頭に、
よくこの卦を表示してあるが、
まことに当を得てゐる。
(易學入門)
と云っています。
しかし、
「占」においては、
めでたい、めでたい、などと、
おめでたいことばかりは
云ってられないのです。
まあいいのは、
初爻くらいです。
二・三は、
泰を維持するのに難儀ですし、
上卦に至れば、
泰は乱れて来るのですから。
なのに上卦は、
泰の好景気が忘れられないし、
時代が衰退しているにも拘らず、
爻位が高いものだから威張るし、
どうにも手に負えないのです。
体調で云えば、
更年期のようにバランスが
崩れているのです。
易者の看板にするなら、
むしろ「泰」一歩手前の、
「臨」のほうがよいのでは?
事実、
そういう先生が、
いらっしゃるようです。