経文と十翼の全てが、
口語訳(第一部)、
書き下し分(第二部)、
として載っています。
余計な説明は一切ないのですが、
そこがかえって読みやすい。
素のままの易経、
といった感じで。
× × × ×
たとえば、第一部、
咸二爻の爻辞はこうです。
脚のふくらはぎに感じる。
悪い結果をもたらす。
その場所にじっとしていれば
吉(よ)い結果が得られる。
第二部はこう。
其の腓(こむら)に咸ず、凶なり。
居(お)れば吉なり。
× × × ×
こうして、
辞だけに特化して、
易を眺めてみるというのも、
すっきりしていて、
思うところが出てきます。
そこで、ひと言。
この咸二爻のような辞・・
ナニナニなので凶である。
(しかし反省修養して)
ナニナニならば吉である。
・・みたいな辞は注意が必要です。
それは、この、
吉の方の文章についてですが、
これは易の理想論だからです。
だから、
吉凶の断においては、
あまり重視しなくてもよい。
易の上級者は云います。
「こうした出来ないことを
云っているのが易なのです」