来之坎坎。
険且枕。入于坎窞。
勿用。
── 坎、六三
× × × ×
この辞は・・
坎に閉じ込められている。
手かせ、足かせをはめられ、
牢獄に放り込まれる。
どうすることもできない。
・・のようにも、
読むことができそうです。
易システムに
組み入れられる前の意味は、
あるいはこうだったのでしょう。
「険且枕」は、
手かせ、足かせです。
「険」は「検」とする説があり、
手かせと解します。
「枕」は足かせ。
卦辞に「孚」とあるのは、
異民族の俘虜なのでしょう。
× × × ×
爻辞のもとの意味は、
あるいはこうだったのかも
しれません。
が、
古い占いの言葉を、
易という変化システムに
有意的に配属させることにより、
太古の単純素朴な占いの言葉を超えて、
より深い意味をもつようになった。
これが現在の爻辞なのです。
周易は、
易システムと辞の小宇宙ですから、
三変筮(=爻辞占)においても、
辞のみで占うのではなく、
卦と爻の象+易辞
によりて占うのです。
そう考えて、
当ブログにおいては、
原義による新解釈は二次的なものとし、
伝統的な易伝を重視しているので。