高島呑象翁の占例を読んで、
おもったこと。
× × × ×
某市長選挙があって、
甲乙二人の候補者がありました。
相談者は、
甲を推しているのですが、
はたして当選するや否や。
これが占的でした。
呑象翁、筮して、
大過の三爻を得ました。
爻辞に曰く。
棟橈。凶。
何より、
辞がよくないデスネ。
誰しもが甲の落選を、
予測することでしょう。
× × × ×
ところで、
小生の興味を惹いたのは、
以下の如くです。
呑象翁は、
単なる「おみくじ易」をしたのではなく、
算木の棒を占事に当て嵌めて、
甲と乙の運勢を読んだのです。
六変筮(中筮法)では、
本卦から之卦における、
棒の変化によって成行きを見ますが、
三変筮においても、
棒の在り方を見て判ずることがある。
(上級者ほどそうです)
曰く・・
☱
☴
- 易経では、一卦においては全卦の象を棟(むな木)とするが、六爻においては全卦の中心部である三四を棟の象と見ている。
- 三四は、卦の中央に位し、家屋の重きを担う棟である。ゆえに棟は市長であって、市政の重きを担う者と見られる。
- 今、市長選において三爻を得たのは、占った甲は三の「棟橈」であり、ライバルの乙は四の「棟隆」である。
- (以下省略)
シンプルだけれども、
基本に忠実な、
実に合理的な棒の読みです。
現代においては、
新釈漢文大系「易経」、
「高島易断」・・等を、
読んでおらなければ、
絶対にできない占考です。
(棒、見てますか?)
なにはともあれ・・
翁のように、
机上に布かれた六本の棒を、
自由自在に操れる人に、
なりたいものです。