病占で沢風大過を得た場合・・
衰弱の甚だしいものは必死の占とします。
(柳下「易入門」)
と、易占の基本書にはあります。
あくまで、
「衰弱の甚だしいものは」
・・との、条件付きですが。
沢風大過には、繋辞下伝に云う、
「棺槨(かんかく)の象」
があるからです。
「ひつぎ」です。
繋辞下伝は、この卦につき、
次のように説いております。
昔は人を葬(ほうむ)るのに、
厚く薪(たきぎ)でつつんで、
野原のなかに葬った。
土盛りもしなければ、墓木も立てず、
喪に服する期間にも定めがなかった。
後世の聖人が、これを棺槨にいれて
葬るようにかえた。思うに、これは、
「大過」の卦から学び取ったのであろう。
(赤塚忠・訳)
この文章は、
古代中国の風習を知るための、
文献資料としても読めます。
棺槨の取象には、
ものすごく細かなのがありますが、
以下がシンプルでいいと思います。
すなわち、
☱
☴
初六 → ひつぎの底。
四陽 → しかばね。
上六 → ひつぎのフタ。
× × × ×
(参考)
大過は死んだ人の
年を経るところの卦である。
人を葬るところの卦である。
大いに過ぐるといふのは、
人が生れてから一つ、二つ、三つと
段々過ぎて往つて百歳にもなれば
大いに過ぐるから大過である。
そこで大いに過ぐるといふは
死ぬるといふことである。
(根本通明)
根本翁は、卦名をもって、
「死」を釈いています。