三変筮は爻辞占が原則ですが、
「ただ爻辞に当て嵌めて占えばよい」
というのではありません。
これは初学者の陥りやすいところです。*1
爻辞占が厄介なのは、
- 爻辞以外に爻象爻位・卦象卦義で占う。
- 同じ爻辞であっても、筮前の審事いかんによって、その占考が異なりうる。
・・ことがあるからです。
たとえば、
後者に関しては、この辞。
何天之衢。亨。── 大畜、上九
柳下「易入門」の
一行占い にはこうあります。
希望は通達する。但し、新規なものは止められる。
この一行は重要なことを云っています。
秘伝と云ってもよいでしょう。
すなわち、
占を場合分けしているのです。
- これまで止められ、実力を蓄積してきた人は「通達する」。
- これから新たに始める人は「止められる」。
大畜の卦辞は、
利貞。不家食吉。利涉大川。
ですが、
不家食吉。利涉大川。
なのは、
時と共に止まって、実力を蓄えた、
上九に限ったことなのです。
辞は、
これまで畜止されてきた人が、
今や十分に才徳を積んでいるとして、
かけられているのです。
なので、
上九以外の爻はもとより、
上九であっても新規になすことならば、
爻辞よりも卦義の方を重く捉えて、
進めば止められることになると、
占うべきなのです。*2
「易入門」を所持する人は多いでしょうが、
このように辞を読む人は、
全国的にもかなり少ないでしょう。
ネット上は皆無です。
でも、これが、
「易入門」に云う、*3
~正しい易占の要領~
なのです。
× × × ×
以上、正しい三変筮につき、
その一端を書きましたが、
易経を10年くらい読まなければ、
明確にはわからないかもしれません。