易占をよくする人にとって、
易経は必読の書であるということが、
ようくわかる文章です。
易ははじめに
☰ ☷ ☵ ☶
☰ ☷ ☳ ☵
のような六十四卦の卦画が考案せられ、のちにそれに対して、乾坤屯蒙といった卦名が与えられたものであり、また卦辞はもとからあった占筮の辞が六十四卦に有意的に配当されたものと推定されることは前にもしばしば説いたところである。ところが 「彖伝」 の卦名および卦辞の解説のしかたはその卦のかたちすなわち象を観察し、象の上から卦名および卦辞を解説してゆくのである。しかし卦名や卦辞のなりたちは上に述べたように、決して象の上からできておるものではない。それを 「彖伝」 のように象の上から解説しようとすれば、いきおい恣意的に、牽強付会せざるを得なくなる。「彖伝」 が敢えてこのような解説法をとっているのは、それが占筮の必要上生れた周易解釈学であるからである。周易がもと占筮のためにできた書であり、象が占筮判断の基礎であるところから言えば、「彖伝」 のような解説法は易学発展上当然辿るべき径路であったとも言えるのである。「小象」 は爻辞を解説したものであるが、その解説のしかたは、「彖伝」 が卦名や卦辞を象の関係からみて解説したものと全く同じ方法によっている。小象もまた占筮のために作られたからである。
(鈴木由次郎)
わたくし事で恐縮ですが、
大畜六爻の小象につき、占に使えそうな一字を
青色でマークしてあります。
岩波易経 ↑
これだけでも、
占の大意は尽くしていると思います。