易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

爻辞占の難しさ

結婚の可否占をして、
この辞が得られたとします。

賁如、皤如。白馬翰如。匪寇婚媾。
(賁卦、六四)

可否占ですから三変筮です。念のため。

易学大講座にはこうあります。

婚姻も一つの話がやゝ纏りかけてゐるところへ、横から有利な條件付の人などが出てきたりして迷ひが起きたりします。がこれは先の話の方が堅実だから、心を変へず纏めるよう努力するがよい。

初爻と結婚話が進んでいるが、
三爻との話も出てきたりして、迷う。
三は賁如濡如できらびやか。
が、もとのままの、
車を捨てて歩く初の人が堅実である。
比爻が邪魔するが正応を選びなさい。

と、加藤氏は、
爻辞のままの占考をしています。

がしかし、
実占においてこの占考を見ても、
ピタリとは当てはまらないことが、
あるでしょう。

いや、
当てはまらないことのほうが、
多いでしょう。

こういう場合は、
筮前の審事によりて、
実際にこういう状況であれば、
易学大講座の文章のように、
初爻の人と結婚して 「可」 と占断します。

しかし、
爻辞のような状況にはない場合、
二途に迷うことのない普通の結婚話だとしたら、
将来、障害が出てきて、安定を得がたい縁であるから、
この結婚は 「否」 であると判断します。

「障害が出てくる」 というのは、
三という邪魔が将来出てくること(浮気?)。

「安定を得がたい」 というのは、
四は震の主爻である剛に乗っているし、
伏しているのが離為火だからです。

こういう爻辞占の仕方は、
非常に大事なのですが、
世にはあまり知られていないかも
しれません。

「匪寇婚媾、終无尤也」
と象伝にあることから、
なんでもかんでも 「結婚してOK」 などと、
おみくじ易をしてしまうとか。

××××

以前、小生が、
上記のような占例を書いたところ、
「ごたごたあっても最後は吉だから
結婚してもいいんじゃね?」
と、上から目線で、それも傲慢な態度で、
ツイートして来た人がいました。

小生は、
「けっ、易経も読んでねぇ、チンピラが」
と、憤ったのですが、
ブログを汚すのが嫌でしたので、
この、あおり運転野郎のツイートに対して、
反撃もせずに放置しておいたことがあります。

今でも、
このパターンの爻辞を学ぶたびに、
思い出すのです。

他に誇り示すやうな態度で進むことは慎まないと、思はぬ失敗をする占です。
(易学大講座)

これは、
人の世の常で、
どの卦爻であってもそうでしょう。